忠夫爺さんが、子供の頃友達と二人で近くの御万度池へ魚釣りに出かけました。
夕方になって魚が良く釣れ始めた頃のことです。『シュー』という音がしたかと思うと、池の向こうの屋敷あたりから、真っ赤な火の玉が青白い尾を引いて空へ上がって行きました。
木の陰に隠れ、おそるおそるのぞいていると、二人をめがけてむかってきました。よく見ると、ひしゃく形で柄にあたるところを下にして、ぷらんぷらんと左右にゆれながら、ゆっくりと近づいてきます。
ぶるぶる震えながら木につかまり、のぞいていると、火の玉は大きくなり、だんだん近づいてきます。まるで火が燃えているみたいです。池の真ん中あたりまできたとき、急に下向きになり『シューシュー』と大きな音をたてて、池の中へ消えた。びっくり仰天、一目散に家へ逃げ帰りました。
それからしばらくして池の近くの人が一人死んだというお話しです。
場所 | 輪之内町海松新田 |
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連絡先 |
TEL: |
所有者 | |
製作年代 |
撮影日 | 2011年10月17日 | 経度 | 35.266592816482586 |
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調査年月日 | 緯度 | 136.62836909294128 |
水郷地帯の岐阜県輪之内町。
輪中に位置するこの町は、昔から
川の氾濫をくり返し、生命、家屋、農地等を奪いつつも、水害から身を守るため
様々な治水事業を行ってきました。
中でも宝暦年間に行われた治水事業は、輪之内町のの歴史上大変重要であり、今の輪之内を形づくっています。
輪之内町内には薩摩藩の功績をたたえた史跡や、水と戦ってきた数々の知恵が今も生きています。